かがみの孤城 漫画 感想

本屋大賞受賞作品! 時空を超えたファンタジーという. 「かがみの孤城」本当に一気読みしてしまった!全国書店のスタッフが、「本当に売りたい本」を選ぶ、本屋大賞ですが、今年は辻村深月さんの「かがみの孤城」に決定です! さっそく読みました。ポプラ社から出ていて、これは一種の児童文学と言ってもいいと思います。対象年齢は広くて、たぶん10歳くらいから読めるのではないかしら。しかし大人が読んでも全然面白い!誰が読んでも勇気をもらえるし、どこかで感動してしまうのではないかと思います。 すごい力作でした。 最後のクライマックスのドキドキ感や、伏線をはられていた謎が綺麗に解き明かされていく感じとか、学校に行けない子供たちの心の葛藤や複雑な胸の内・・・。 そして友達と触れ合えた時の、かけがえない嬉しさ・・・。 こういうのが全部詰め込まれていて、作者辻村さんの並々ならぬ力量を感じました!ほかの作品も読んでみたい!では基本情報と感想を書きます。 ※ 画像はイメージです!  こころは、中学一年生。だけれど、同じクラスの中心人物、真田さんとその取り巻きから、嫌がらせを受けてから怖くて学校に行けなくなってしまった。 お母さんが連れて行った近くのフリースクールには、信頼できそうな喜多嶋先生がいたけれど、やはりスクールにもいけなくなってしまい、部屋で閉じこもる日々だった。 そんなある日、突然、こころの部屋にあった全身鏡が虹色に光りだす。 驚いたこころは、そのまま鏡の中に引き込まれてしまった。 鏡の中に広がっていたのは不思議なお城。 大きな振り子時計と、舞台セットみたいな絨毯のしかれた大階段がある。外観はエメラルドグリーンで、物語のお姫様のお城みたいである。 ここで待っていたのは、狼の仮面をかぶった、小さな女の子。フリルのドレスにオオカミの仮面という、奇妙な姿だ。  そして、このお城で、こころは一人ではなかった。他にも、中学生の子供たちがいたのである。 アキ、マサムネ、フウカ、ウレシノ、リオン、スバル・・・。 こころを入れて、女子3人、男子4人、計7人である。 オオカミ仮面の女の子、通称”オオカミ様”は、唖然とする一同に言い渡す。五月現在から、来年の3月末まで、このお城は存在していて、日本時間朝9時から夜5時まで、それぞれの部屋の鏡から入ることができる。 そして、この城のどこかに、願いを何でも叶えることのできる魔法の鍵が一本ある。ただ、一人の願いしか叶えることはできない。そして、願いを叶えた瞬間に、このお城は消えてしまう。記憶もなくなる。 もしも、魔法の鍵を誰かが使わなかったら、期限ギリギリの3月30日まで、お城は存在している。それ以降お城は消えてしまうが、ここで過ごした記憶は、そのまま残り続ける、と。 注意が一つだけある。 午後五時が過ぎる前に、各自、お城のホールにある鏡を通って、自分の世界に帰らないといけない。そうしないと巨大なオオカミがやってきて、皆を食べてしまう。 誰か一人だけが五時を過ぎても、連帯責任で、皆が食べられてしまう・・・と。  七人の中学生は、お互いの共通点を発見する。みんなが、何らかの事情で、学校に行けていない。そして、驚いたことに、雪科第五中学というと、同じ中学校の生徒だった。これには何の意味があるのか?  七人の中学生はそれぞれ事情を抱えていて、それぞれの願いを持っている。(特別に持っていない子もいる)。だから鍵を探したい。 けれど、お城自体がとても居心地良かった。学校でもなく、家でもなく、親や先生、同級生の目のとどかないところで、自由にくつろげる。 男子たちはさっそく連日テレビゲームで遊ぶようになる。女子も、次第に打ち解けて、お菓子やお茶を持ち寄って喋るようになる。(ゲームもする) この居心地のいい場所をとっておくために、3月30日までは、たとえ鍵を見つけても使わないで置いておこう、という気持ちが生まれてくる。  そして鏡の中の世界のほかに、もちろん七人は鏡の外の現実世界に住んでいるのだから、そこで直面しなければいけない問題がある。 こころも、中一の勉強をまったくやめてしまっているので、今から遅れを取り戻せるのか不安になっている。そして来年からどうするのか。自分に嫌がらせしたクラスメイトと別のクラスにしてもらうのか、転向するのか、それがフリースクールや自宅学習を選ぶのか・・・。 こころは、真田さんによるショックで、外に出るだけで動悸がし、気持ち悪くなるくらいだ。 だが鏡の中の仲間たちとは、だんだん打ち解けて、女子に、学校で何があったかを涙ながらに話すこともできるようになっていた。  ある日、マサムネが登校する決心をする。そして、皆も同じ日に学校に来てくれ、と頼む。そして、こころもその日に登校したが、お城の仲間は来ていなかった。しかも、保健室の先生に聞いても、「そんな子は学校に存在していない」と言われてしまう。 彼らは自分の作り出した妄想なのか?いや、そんなはずはない。ではここでは何が起きているのか??? そして、最後に謎が解き明かされる。            なんでこんなに、不登校の子の心境の複雑さが表現できているのだろうかと不思議なくらい。こころの親は、こころを無理に叱りつけたりして学校に行かせるタイプの親ではない。 なのだけど、ちょっとしたため息や「言うつもりじゃなかったんだけど・・・」という言い方ひとつひとつを、こころは敏感に感じて憂鬱になったり、憤慨してしまったりする。でも同時に、朝は不機嫌だったのに仕事から帰ってきてからは優しくなっているのを、「フリースクールの先生とかにアドバイスされたのかな・・?」と冷静のとらえる視点を持っていたりもする。 また、親に対する罪悪感も持っている。  思春期って、不登校でなくても、子供から大人への過渡期。子供の時は親との関係が近いのが、大人になると遠ざかる、その中間的な位置で、親のちょっとした態度へも過敏に反応してしまいがちだ。 それがよくとらえられていた。  それから、真田さんとのやりとり。真田さんは、自分の彼氏が昔、こころを好きだったことを知って、今はこころと彼氏の間に何もないのに、彼氏にわざわざこころに向かって「ブス!」と言わせたり、こころの家に取り巻きと共に乗り込んできて、謝罪を迫ったりする、とんでもな女である。 そして、不登校になってしまったこころに対して「もう彼とは別れたから、気にしなくていいよ」などという頓珍漢な手紙を出してくる。 こういう、逆恨みというか、勝手に恋愛妄想する女子って、本当にいそうでリアリティがある・・・。こころにとってみては、まったく意味不明で、何もしていないのに、真田さんの彼氏が昔こころを好きだったばかりに、巻き込まれただけなのだ。 そう、真田さんとこころでは、全然見えている世界が違うのである。 そして、困るのが、こういうふうに話が通じないのは、子供同士だけじゃないこと。  担任の先生も、クラスの中心人物である真田さんの味方をしていて「真田もいいやつなんだ」とか「真田が、こころから返事が来ないから”馬鹿にされた”と思っちゃっているから返事を出してやれ」などと、妙な公平性を取ってくる。 真田さんが一方的にこころを攻撃したことが見えていないのである。  で、こういう設定もリアルだし、これに対する主人公こころの反応もリアルで説得力があるし、「ああ、こういうことってあるよなあ、ありそうだよなあ」と自分のことみたいに思えてくる。  辻村深月さんは、もともとメフィスト賞を獲ってデビューされている。出発点にはミステリがあるのだろう。 だからか、謎解きのダイナミクスも、ハラハラドキドキする。 まずは、願いを叶える鍵は一体どこに隠されているのだ?というとこ。 これには、「オオカミ様」が、7人に「お前たちは、赤ずきんちゃんなんだ」と言うこととか、オオカミの出てくる童話が関連してくる。  それと、なんで7人は同じ日に登校したのに会えなかったの?という謎。 そして、子供たちの何人かが共通して会う、フリースクールの喜多嶋先生という謎。  こういう謎が、最終部分で、綺麗に解き明かされるのだから凄い。そして、最初に「オオカミ様」が「五時を過ぎるとオオカミに食べられちゃう」と警告していたのも、当然伏線になっている。 「オオカミ様」の正体については、若干ちょっと出来すぎな気もしないではなかったが・・・。あくまで謎の人物のままでも良かった気もしないでもないけど、これは好みの問題だろう。 五時を過ぎて襲来するオオカミはクライマックスになっているし、そのシーンは本当にどうなるのかハラハラドキドキさせられてしまう。  みんな、それぞれに問題を抱えた子供たちだ。虚言癖があったり、家族に問題があったり・・・。このため、それぞれ違う仕方で心に傷を負っている。  でも、同じ不登校といっても、本当にそうなってしまった理由は千差万別なのだ。7人が7人とも、全然違う事情を抱えていて、その一つ一つが語られていく様子も説得力がある。なんというか不思議な実感がこもっているのだ。 作者の辻村さんが、それらぜんぶを体験したわけでないだろうけれど、読んでいて、思わず共感してしまう実感がこもっていた。 学校社会で、自分をはみ出し者と感じてしまったことが一度でもある人、何かこの社会が生きづらい・・・と思ったことがある人は、共感してしまうと思う。 そして、こういう事情が、みんな優しいまなざしで描かれていることも印象的だった。 作中に出てくる喜多嶋先生の、子供たちに寄り添ってくれるような優しい、見守るようなまなざし、といったらよいだろうか・・・。 そして、次第に打ち解けていく子供たちの様子からは、何かを話せる人、自分の悩みなどを打ち明けられる仲間の存在の大切さを思わされた。 実際は会えなかったわけだが、こころも、マサムネに頼まれて「友達に会いに行く・・・そしてその場所が、たまたま学校だったんだ」と思えて、保健室登校をすることができた。そこで倒れてしまったとはいえ。  誰か仲間がいるのって、いいなあ~。。。と温かくなると同時に、ちょっとうらやましくもなった。まあでも仲間というのは、案外身近にいるのかもしれない。 誰とでも、永遠に一緒にいられるわけではないけれど、ひと時だけ、一緒にいられて心を打ち明けることができる、それだけで、そうした時間があるだけで、人はその後も勇気づけられるんだなあ、とそんなことを思った。  そんなわけで、「かがみの孤城」は文句を付けるのがむしろ難しい。面白いし勇気づけられるとしかいえない。 この本にはオオカミがもんすたーで出てくるけど、帯の読者の感想にもあった通り、子供たちを無理やり狭い教室に詰め込んで、規格に当てはめようとする「学校」という場所それ自体も、「モンスター」になり得るなあ、と思った。 私自身も、小学校は特に苦手だった。お昼休みに「仲良しグループ」で席をくっつけて食べなくてはいけないことがまず苦痛だった。 なかなか周りに馴染めない子供だったので・・・。 あの、学校特有の「友達をつくれ!」と強制されているような環境というのは、けっこうつらかったなあ、と思う。 大きくなってしまえば、あんなところで無理やり友達ごっこせずとも、一人でもくもくと本を読んだり、絵をかいたり、数学にはまったりとか、好きなことをやっていれば、何も恐れることはなかった・・・と分かるわけなのだけど。 学校という場では、一人になること、「ぼっち」になることを異様に怖がる空気が蔓延している。集団生活に適応させる訓練の場所でもあるから仕方ないのかもしれないけれど、でもそれって幻想だ。 語弊があるが、別に友達などいなくても人間は生きていける。少なくとも、無理やりに友達を作る必要なんか全然ない。ある人に興味を持ったり、ふと話しかけたくなったり、そういう自然な引力以外の人間関係なんて無視して大丈夫だと思う。・・・・・とかいう考え方の私は、マサムネ君の両親に近いんだろうな。  不登校の子にも読んで欲しいし、子供たちだけでなく大人にもよんでほしい。生きていると、つまづいてしまうことはある。 先に進めなくて苦しい時もある。けれど、それでも生きて欲しい、と未来の誰かが呼びかけてくれているとしたら。最後は「大丈夫、生きていっていいんだよ!」と励ましてもらえた気がした。 なので、現状に悩んでいる社会人の人や、将来が不安な学生の人、色んな人が読める本だと思う。この本を読めば解決策がそこにのっているわけではないけれど、少なくとも一握りの勇気は貰えるのではないか、そう思ったのでした。

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